【13日目】酸素マジやっべえ!
酸素をご存知だろうか。元素記号Oのあの酸素である。
その酸素を調べると地球の歴史を知ることができるらしい。やっべえ!
そこで、酸素を調べるとどんなことがわかるかを紹介し、「酸素がマジやっべえ」感動を皆さんに共有するためにこの記事を書いた。
前提となる知識
知っておくと酸素のヤバさがもっとわかって楽しくなることをこの項の以下の部分で述べる。興味のある方にはぜひ読んでみてほしいが、苦手な方はスルーしてもらっても構わない。
僕らの身の回りの物質の多く、特に土や岩石には必ずと言っていいほど酸素が含まれている。この中にもある割合で3種類の酸素同位体が混ざっていて、質量が違うために時代や場所によってその割合が変化することがある。逆に言えば酸素同位体の割合を調べることによって時代や場所を特定することができる。これがこの記事における「酸素まじやっべえ」の本質である。
酸素を調べて分かること
- 月の原料は地球
月の鉱石の酸素同位体比を調べたところ、地球内部の酸素同位体比と一致した。この結果から月は地球にあった岩石を原料としていると考えられている。月に小惑星が衝突して分裂して月ができたという説の裏付けになっている。
- 隕石・小惑星の起源
地球の酸素同位体比はわかっているので、地球と同じ起源の岩石なら大体どのような同位体比になるかは計算できる。小惑星の酸素同位体比を調べればその岩石が地球と同じ起源かどうかがわかる。小惑星イトカワがこの分析をされたことを知っている人はいるかもしれない。
もし地球と同じ起源の岩石の持つ同位体比とはずれた値を持つなら、それは違う恒星系や銀河から飛来したと目星をつけられる。
- 過去の気候・氷河期
地球の鉱石や化石・氷河の酸素同位体比から、過去の気候を復元できる。
酸素16など軽い酸素を持つ水は重い酸素を持つ水に比べて蒸発しやすい。蒸発した水(酸素16が多い)が陸地に振ると川となって再び海に帰ることで酸素の同位体比はある値に保たれる。しかしながら、陸地に振った水(酸素16が多い)が氷河となって海に戻らなくなると、海水の酸素18など重い酸素の割合が増えることになる。
海水と化学反応してできる貝殻の化石や鉱石にどれだけ重い酸素が含まれているかを調べれば、当時どれだけ氷河があったかがわかり、そこから当時の気温・気候を知ることができるのである。
この研究のおかげで氷河の気泡中に含まれる過去の空気中を分析すると「二酸化炭素の量が増えると気温も上がる」ことが確かめられた。
酸素やっべえ!
酸素を調べると、遠くの星のみならずはるか昔の気候まで知れる。酸素は場所を越え、時を越えるのである。
酸素やっべえ!という感動が伝わっただろうか。
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