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#いいねタグが使われるのはなぜか

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#いいねの数だけ自己紹介する

#いいねした人の印象を言う

 

Twitterでこんなタグを見たことがあるだろうか。いいね機能を使ってフォロワーを紹介したり、自己紹介する機会を設ける目的で置かれるタグだ。自分もこのタグを利用してフォロワーさんからの印象を聞いた経験がある。

 

この記事では以後この類のタグのことを「いいねタグ」と呼ぶことにする。

 

この「いいねタグ」について、知り合いと話す機会があった。彼は「いいねタグ」に好印象を持っていなかった。「自己紹介ならいいねを待たなくてもプロフィールに書けばいいし、他人からの印象がそんなに気になるのが不思議」とのこと。真っ当な指摘だと感心しつつも、いいねタグを使う側の人間として、このタグに魅力や必要性を感じない人がいることに驚いた。この認識の違いはどこからくるのかを考え、いいねタグが使われる理由を彼に説明するために記事を書くことにした。

 

いいねタグを使う理由

いいねタグによって我々は「自分の印象」を知ったり、「他人の印象」を伝えることができる。意外な印象を知ったり、普段話さないフォロワーから反応をもらうこともある。いいねタグが流行るのは、この流れが多くの人にとって快だからであると推測できる。

言い換えると、いいねタグに参加する人は自分の印象を知りたい欲求を持っていると考えられる。この考えに基けば、他人の印象を伝えることはその人の欲求を満たす行為であり、フォロワーに喜んでもらうために効果的である。

 

まとめると、

「自分の印象を知りたい欲求」を満たす・満たしてあげるためにいいねタグが使われる

と推測できる。

 

キーワードは「自己同一性」「不安の解消」

自分の印象を知りたい人と知りたくない人が分かれる理由を説明できる(と僕が思っている)言葉がある。それが発達課題だ。この項で発達課題について知り、次の項でそれがいいねタグへの認識の違いにどう影響するかを説明する。

少し難しい話になるので、この項の最後のまとめまで読み飛ばしてもらっても構わない。

 

「人はいくつかの段階を踏んで成長する。幸福な人生を送るためには、それぞれの段階で習得すべき課題克服すべき問題がある」というのが発達課題の意味である。

 

青年期(10〜20代前半)が習得すべきと言われる発達課題は自己同一性(アイデンティティ)の獲得。平たくいえば「自他ともに認める自分像を持つこと」である。自分の「キャラ」を持つことといえばイメージしやすいかもしれない。

自己同一性を獲得するためには、

″自分が家族や学校などのコミュニティに自分が存在したいと思える居場所″

″一つ前の発達段階において、自分が他人と協力したり、他のモノを利用して何かを成し遂げた体験に基づいた、「自分はできる感覚」″

が必要である。

 

青年期が克服すべき問題自己同一性の拡散。自分が思うように物事が進まない、他人から不当な評価を受ける等で「自分はこんなことができる」「自分はこんな人間」という自己同一性を損なう。

自分演じるキャラと本当の自分がかけ離れて辛い思いをすることも自己同一性の拡散の例だ。自分が「思っていた自分でない」ことは不快・不安につながる。青年期ではこの不安を乗り越えることも課題である。

 

逆に、自分が他人からこう思われている・認められていると知ることは、自己同一性の拡散の不安を和らげる。これが自分の印象を知ることに快感を覚える仕組みである。人に印象を伝えることも、他人の不安を和らげることにつながる。いいねタグはこの不安を解消する機能がある。

自己同一性の拡散は

「自分はこんなはずじゃない」「こんな自分を見せたくない」「いっそ悪い自分を見せよう」「自分には何をすべきなんだろう」「もはや何をしてもムダだ」

という心情とともに現れる。

こういった自己同一性の拡散は「対人不安」「非行」「選択の回避(さきのばし癖)」「感情の喪失」をもたらす。

一つ前の発達段階で「自分はできる感覚」を身につけられていない場合、それが劣等感として尾を引き、結果として「無能感」を得る。これは自己同一性の拡散を促進してしまう

 

まとめると、

青年期の人は「自己同一性の拡散」という問題を抱えており、自分の印象を知ることでその不安を和らげることができる。

 

いいねタグを使わない理由

これまでの話から、いいねタグを使う必要性を感じない人は、「自己同一性の拡散」に不安を感じない人=自己同一性の拡散という問題を克服し、今は別の課題に向き合っている人と考えることができる。自分はこうだ、と自分で分かっているから、「他人からの印象を気にする必要はない」=「いいねタグを使う必要がない」と思うのである。

 

さいご

これまでをまとめると次の3つになる。

  • いいねタグには「自己同一性の拡散からくる不安を解消する機能」がある。
  • これを必要とする青年期の人はいいねタグを好んで使う。
  • 自己同一性の獲得を課題にしていない人(例えば成年期の人)は使う必要を感じにくい

 

補足

青年期より先の段階にいる人でも、自己同一性を完全に獲得している人ばかりではない。獲得した人でも自己同一性の拡散に再び直面することはある。自己同一性の拡散=未熟とは必ずしも言えないし、自己同一性を獲得したからといって成熟しているというのも正しいとは限らない。 発達課題は本人が幸せになるための単なる目安であって人間の価値の高さを示すものでもないことに注意しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだか難しい話をしてしまったので

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