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【まい投2020-72・73日目】センシティブがエロくなる

センシティブと言って成人向けコンテンツを指す例をよく目にする。英語の「Seinsitive」に「デリケートな」という対訳があるように、それ自体は「触れるのがはばかられる」という意味である。
多分きっかけはTwitterで画像が非表示になったときのアレだろう。

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センシティブのアレ

Twitterには「センシティブなメディアに関するポリシー」というものがあって、
help.twitter.com
この概要の中でTwitter社は5つの項目を「センシティブなメディアコンテンツ」としていて、実際成人向けコンテンツもそのなかに含まれている。成人向けコンテンツがその中でいちばん見かけられることが多いからもっぱらセンシティブと呼ばれる、というのはわかる

性的→センシティブのように、コアな意味をより広い意味の言葉で代用する例が身の回りには結構ある。
「批判」はいい点と悪い点を見分けて評価することという意味だが、もっぱら欠点を正す意味で使われる。
人間性に問題がある人は対人関係でのトラブルメーカーを指して言う言葉だし、そもそも問題という言葉はポジティブな意味にも使う。
少し汚いが「大便をする」は「トイレに行く」「お手洗いに行く」「化粧室に行く」「芥川を読む」「用を足す」「花を摘む」「雉撃ち」などなどもはやコアな意味が別のところに移ってしまっているものもある。

オブラートに包んだ言葉は投げかける側としては安心できる。相手を傷つけにくくなったり、広い意味の言葉ほど間違いになりにくいので謗られなくなる。
あるいはわざと曖昧にした言葉から同じ狭義の意味をつかみ取る仲間同士のコミュニケーションの心地よさを感じることもできる。「アレ」で通じる仲間内で盛り上がるアレである。

言葉を曖昧にする理由は頭をこねくり回せば結構出てくるが、わたしたちみんなが、図らずも曖昧な言葉に身をやつしているというのは正しそうだ。
ここから僕は、「曖昧さ」に、望まずとも使わされてしまうような引力をもった空間のようなイメージを持っている。
crowingspear.hatenablog.com
センシティブに性的という意味を持たせるとき、お布団に落ちるのと同じように、曖昧さという場に引き寄せられているように僕は思う。