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【まい投2020-7日目】写真を撮ること

 

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真を見ると、いろいろな想像を掻き立てられる。

波が寄せ来るさま、その音、雲がどこに流れていくか、砂浜の貝がどこから来たのか・・・などなど。写真本来のコンテクストから離れ、勝手気ままにストーリーを作りあげることさえ可能である。

 

真とは、もともと3Dの被写体を2Dの平面に投影する行為である。空の彼方と目の前の砂浜の両方を1枚の紙に押し込むことができる。

3Dを2Dに投影するのは容易だが、2Dの写真からから3Dの被写体を復元するのはとても難しい。切り抜いた段階で、奥行きの情報が欠落してしまうからである。

撮影はさらに、時間軸上を動く被写体をある時刻に閉じ込めてしまっている。

スポーツカメラマンの撮影において、『野球選手がボールを打つ瞬間を「切り取る」』という表現は言い得て妙だ。

1枚の写真から色々と想像できるのは、空間・時間の両方で欠落した情報を補う方法が無限にあるから、と言える。

 

たしたちの記憶は、五感による一瞬の情報の積み重ねである。その情報は、必ず時間的に、ものによっては空間的に切り取られたものである。その点で、ごく短い瞬間の情報を切り取る記憶は、被写体を、限られた次元で切り取る写真撮影と似ている。

以前のまいにち投稿で書いた「真実」を持ち出すと、「真実」が持っている情報を「切り取ったもの」が記憶。

 

なたがA君に対してもっている記憶があるとしよう。

記憶はあなたの、A君に対する印象を作り上げる。そして記憶は断片的なもので組み上がっているのだから、無限に想像できる。しかもこの想像は、A君の関係のないところで膨らむ。たった1つの時刻を切り取った記憶が、A君を大悪人に仕立て上げてしまうかもしれない。

 

り取った情報をもとの3D、4D情報に完全復元するのは写真と同様かなり難しいが、部分的に復元することは可能である。

写真を同じ角度から何枚も撮ればいい。写真を時間ごとに重ねたら動画になり、本当の動きが妥当に想像できる。

またほぼ同じ時刻で別の角度から撮れば、奥行きの情報を与えられるので全体の形を頭で補いやすくなる。

 

の第一歩として、

「今見てる写真だけじゃ、奥のほうの海が穏やかかどうか判断できないな」と思うのと同じように、「今見てるA君だけじゃ、彼の全部は判断できないな」と思い、「真実」を復元する手がかりとしたい。