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【第7回 #鳥オフ】鳥を″特别″にするには【RR-ワイルド・ヴァルチャー】

自分の鳥カードが″特別″であると示すオフ会、鳥オフ。先月11月初旬に4年ぶりに開催でき、第7回は新しく参加者された方、リピーターの方、運営含め全員楽しんで終われたと思います。運営として携わったオフ会がこんなに愛されて嬉しい限りです。

 

さて、鳥オフが始まって以来6年、私Pmanは《RR-ワイルド・ヴァルチャー》を鳥カードとして選んで参加しています。カードプールの変遷とともに、手を変え品を変え色々な《RR-ワイルド・ヴァルチャー》のデッキを組んできました。好きという感覚を超え、ある意味もう執着とか呪いとかその域に達しているのかもしれませんね(笑)

 

恒例となった、鳥オフ独自の対戦相手への評価システムですが、運営の私も評価していただいていました。(ランキングには参加していません)

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嬉しいことに、18点満点中16.56という高評価をいただき、運営内で1位を取ることができました。俺の鳥が最強や!

 

さて、ブログ記事リレー企画として、鳥オフ運営による鳥デッキの構築方法の提案・例示をテーマに記事を作成しました。これまでの【RR-ワイルド・ヴァルチャー】を振り返って思うことを下に記しましたので、ゆっくり読んでみてください。

鳥オフ前にデッキレシピ例示記事も書いておりますので、そちら併せて見ていただけると嬉しいです。

crowingspear.hatenablog.com

 

 

鳥を″特别″にするには

 

客観視を獲得するともに主観が迷子になるのが青年期であり、人は青年期、そしてモラトリアムにかけてアイデンティティの獲得を目指すものである。こういった時間に遊戯王というゲームしてきた身にとって、アイデンティティの獲得という発達課題への挑戦の苦しみは、デッキ構築にも現れていた。

 

鳥オフというオフ会でデッキ構築をするにあたって、たとえば《RR-ワイルド・ヴァルチャー》であれば、《RR-ワイルド・ヴァルチャー》は誰なんだ?から始めるだろう。そして《RR-ワイルド・ヴァルチャー》にしかできないことは何か。《RR-ワイルド・ヴァルチャー》でなければならない理由は何か。《RR・ワイルド・ヴァルチャー》が″特別″になれるシチュエーションを探して、悪戦苦闘が始まる。

 

面接のための自己分析が苦しいのとまるっきり同じだ。恋人にとって俺でなければいけない理由。御社にとって自分が必要な理由。俺は何のために生きて、どう死ぬのか。人生の目的は。勉強で身につけた客観視を駆使し、この世界で俺が″特別″であるという証明問題を解かなければならないという強迫観念に駆られてしまう。

 

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《RR-ワイルド・ヴァルチャー》を中心にして、相性の良い《ダークネス・シムルグ》《闇黒の魔王ディアボロス》がくっついてきて、それを揃えるためのカード、相性の良いカードが全てのカードプールから候補として挙がってくる。テキストではない。カード達の相関図そのものこそが、《RR-ワイルド・ヴァルチャー》を表す全てである。しかしながら、デッキの中にその全てを内包することはできない。ただ一側面に限定して《RR-ワイルド・ヴァルチャー》の相関図を切り取る作業である。そこに、「俺にとっての」《RR-ワイルド・ヴァルチャー》はこうなんだという観念が、デッキとして形に現れる。

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自分という存在の″形″がレーダーチャートのように確定していく青年期に身につけられる言葉が「俺にとって」という枕言葉である。自分が全世界に対して唯一性を帯びる必要はないという免罪符となる反面、自分の価値観や能力が白日に晒されてしまう恐ろしさとも戦わなければならない。まるでマインスイーパを1マスずつ開けるときのように、ハラハラした気持ちで、「俺にとって」の形を探っていくことになる。その形は、一生懸命身につけた客観視にとって何の意味も持たない。

 

「俺にとって」という唯一性を捨てる免罪符を使用した以上、全世界に対し唯一でなければならなかったデッキは、唯一でなくなってしまう。「人それぞれ」という凡庸な価値観で片付けられてしまう恐ろしさからそのデッキを認めてあげられるのは、迷子になっていた主観しかいない。世界が《RR-ワイルド・ヴァルチャー》を愛さなくても、俺が愛していればいい。

 

この世界で自分の好き嫌いを判断できるのは自分しかいない。価値観の主体を自分に取り戻せたなら、「俺にとっての」という枕詞を使う必要がそもそもない。唯一性を求めないことが罪でなくなった今、免罪符も意味をなさなくなっているはずだ。世界にとって自分が特別であると証明するのが目的ではない。幸にも不幸にも、俺にとって自分は特別でしかあり得ない。

 

つまり、鳥カードが特別になるのはデッキ構築によってではなく、デュエルによってでもない。主観で″鳥″を選んだ瞬間である。あとは、俺にとって見せたいカードの一側面とは?を考えてやるだけ。俺にとっての″特別″のイメージを自分に対して示したものが鳥デッキとなる。

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第七回 #鳥オフ 【サンプルデッキ紹介】 【RR-ワイルド・ヴァルチャー 2.5】

鳥オフ という遊戯王カジュアルオフをご存知でしょうか。

参加者全員が「鳥デッキ」のみを携えて戦い、参加者の投票により最も輝いていた「鳥カード」を決めるという異色のフリー対戦オフです。

イベント概要はこちら。募集が始まってはや1ヶ月、満員御礼につき増枠中です。現時点であと3枠!

twipla.jp

 

申し遅れました。私はPmanという者です。

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過去《RR-ワイルド・ヴァルチャー》を鳥カードに据えて参加していました。今回の鳥オフには参加できませんが、運営という形で携わっております。

 

さて、参加者の皆様におかれましては、鳥カードの選定、「鳥デッキ」の構築に勤しまれていることかと存じます。鳥カードの選定や基本的なデッキ構築はもちろんだとは思いますが、鳥オフ公式へ「スピードやパワーライン」に悩む声が寄せられていました。

Xの「#鳥オフ」ハッシュタグから過去レシピを参照してもらい雰囲気を掴んでもらえれば一番ですが、4年越しの開催ということで、出来ることはかなり増えております。自ずとカードパワーも上昇しているため、実際のところ会場で飛び交うカードがどうなるかイメージしづらいです。(運営も想像しきれない所があります)

 

そこで、「私がもし参加できたらこんなレシピを持っていくぞー」というサンプルをこちらの記事に貼り付けますので、参考にしていただければ幸いです。(参加できず悔しいですが…!)

先に断っておきますが、鳥オフは勝ち負けが最終結果の良し悪しに直結するオフ会ではないです。このレシピをメタってもあんまり意味ないぞ!

 

RR-ワイルド・ヴァルチャー

さて、《RR-ワイルド・ヴァルチャー》というカードをご存知でしょうか。

「RR-ワイルド・ヴァルチャー」

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効果モンスター

星6 /闇/鳥獣/攻 1600 /守 2000 
⑴:このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズにこのカードをリリースして発動できる。レベルの合計が6になるように、自分の手札・墓地から「RR」モンスター2体を選んで特殊召喚する。

 

唯一のレベル6 RRモンスターで、自身をリリースしてモンスターを2体展開する効果を持っています。人呼んで「9期の《インフェルニティ・ガン》」です。

このカードの特徴はアドバンス召喚できる闇属性」「自信をリリースできる闇属性」という2つの性質を併せ持つことです。

 

 

つまり、ダークネス・シムルグ》《闇黒の魔王 ディアボロ》両方のトリガーになれるのです。さらに、RRを2体出力するため、《RR-ネスト》のサルベージ効果により自身を手札に戻せます。

 

つまり、《RR-ワイルド・ヴァルチャー無限シムルグディアボロス+レベル3×2出力エンジンと化します。

 

「ランク5以上のRR Xモンスターに頼らず、メインモンスターを中心に攻め込んでいくRRの異端感」、そして「ワイルド・ヴァルチャーが全ての起点になる所」が、このデッキを使う面白さだと思っています。

3年前に更新したデッキレシピ記事は、上記のギミックをメインに据えています↓

crowingspear.hatenablog.com

 

デッキレシピ【RR-ワイルド・ヴァルチャー2.5】

 

 

上図が現在のデッキレシピです。

2.0のレシピに対し下記2点のアップデートを施しました。

「絶神鳥シムルグ」で安定性向上

もともと《王神鳥シムルグ》《ダークネス・シムルグ》を使用しデッキの終着点を担っていた「シムルグ」ですが、《絶神鳥シムルグ》がめちゃくちゃ強いです。RRと相互に矢印が伸びており、序盤は《ダークネス・シムルグ》出力補助、中盤は自身による手数確保、終盤は《烈風の覇者 シムルグ》による盤面出力UPと、ゲームを通して隙なく安定性を底上げしてくれます。

 

 

「ビーステッド」でディアボロスへアクセス+トリガー用意

2.0のレシピにおいて、デッキにいる《闇黒の魔王 ディアボロ》へは、最序盤の《永遠の淑女 ベアトリーチェからしかアクセスできなかったのですが、《深淵の獣マグナムート》のいる「ビーステッド」を採用することでこの困難を緩和しています。《深淵の獣ルベリオン》《深淵の獣バルドレイク》《烙印の獣》と闇属性リリースのトリガーにも事欠かないので、《RR-ワイルド・ヴァルチャー》への負担軽減も図れました。「ビーステッド」自体の継戦力で、モンスターを一掃されても「ビーステッド」1体を浮上させ、《RR-ワイルド・ヴァルチャー》のリリース要員確保、なんてこともできるのでとても心強いです。

 

そのほかにも下記2点のうまみがあります。

  • RR-ネスト》が破壊された場合にサルベージ効果を発動した《RR-ヒール・イーグル》を《復烙印》で戻せる
  • 深淵の獣ルベリオン》《闇黒の魔王 ディアボロ》でのランク8素出し
  • チューナー確保から《PSYフレームロード・Ω》《RR-レディネス》コンボを狙える

 

デッキの弱点

このデッキのどうしても拭えない弱点は以下2点です。

  • 最序盤に《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》でLPを半分にしてしまう
  • 打点3000を超えるモンスターへの対処法が少ない

以前からの課題事項で、高打点モンスターやデバフ・バーンによる突然の詰み発生して困っていました。一応EXデッキに頼って対処するプランを用意しました。

前者:「Ωレディネス」の再採用

後者:「プライム・フォトン」系、《RR-デビル・イーグル》

 

鳥オフ参加者各位

私自身、長い時間《RR-ワイルド・ヴァルチャー》について考えてきました。カード効果の性質上、最終盤面に残って殴るようなモンスターではないのですが、その分コイツを乱舞させられるデッキを組めたと思っています。

パワーラインについて

あくまでも《RR-ワイルド・ヴァルチャー》が一番活躍することを基準にしていますので、スピード・パワーライン・妨害の程度は良くも悪くもコイツの性能で頭打ちになります。「ワイルド・ヴァルチャー」の活躍を魅せる目的でデッキを組んでいるので、デッキが位置するパワーラインが制限されてしまうのが実情です。(不器用なヤツでごめんなさい)

クセのある鳥が沢山出るわけですから、参加者各々がそれぞれの鳥カードに最適化したデッキを組んできた場合、デッキのスピードが合わない交通事故的な対戦をゼロにすることはできません。

その分いろんな方と対戦して試行回数を重ねれば、鳥カードが活躍する機会を増やしてあげられると思います。

 

さいごに

上記しましたが、鳥オフでは勝ち負けが結果の良し悪しに直結しません。

 

参加者の皆様におかれましては、己の「鳥カード」を魅せるデッキを組み上げ、対戦において遺憾なく発揮して欲しいです。加えて対戦結果にとらわれず、相手の鳥デッキの面白いところを見つけていただき、鳥オフを存分に楽しんでいただけるよう祈っています!

 

2次会も参加してね

「久々にトチ狂った遊戯王、したいな…」

  ↓
【第七回】鳥オフ【遊戯王カジュアルオフ】の参加を決意する
  ↓
鳥カードと三日三晩向き合う
  ↓
当日、数多の鳥達と鎬を削る、闘争の戦禍に身を投じる
  ↓
身体は鶏肉を求める
  ↓
鳥オフ二次会が開催される

 

ということで、鳥オフ2次会恒例となった、鳥を食べる会。鳥デッキについて語りあい、存分に鳥を食らってください!

参加表明をお待ちしています!

https://twipla.jp/events/577131:鳥オフ2次会リンク

『″一般論″論』

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自分が見つけた″一般論″を語りたくなった時には注意が必要だ。


そもそも一般論は、一般化を極めれば極めるほど、味が薄くなる。どの地域・どの人種・どの時代にでも通じるような一般論はほとんど語り尽くされて社会通念として溶け込んでいる。誰にでも通ずるような社会通念を説かれることは、パスタを食べながらその茹で汁の品評をしているようなものだ。


「「ニュートン力学のma =Fなる運動方程式」は、かなり広範な運動を記述できる。ただ、その式自身は抽象的で、ma=Fと言われただけでは、それがどんな運動を表しているのかさっぱりわからない″一般論″的な式というわけだ。

バネに繋がれているとか、初速0だとか、限定的な条件を使って、他の可能性を捨て去ることで初めて、眼前にある運動を「味わう」ことができる。


さて、「味付け」は一般論の可能性を捨て去るんだが、同時に話の面白味を増してくれる。

″一般論″を自分が語りたいと思ったなら、多かれ少なかれその論を味わって欲しいはずだ。しかし一般論とは元来無味乾燥なのだから、いわゆる″一般論″の旨さは、限定条件の「味付け」のおかげである。


例えば、あるあるネタが面白いのは「味付け」によって限定した範囲で、限定した範囲内の人に対して語るからであって、今や『3日連続朝が来る あるある探検隊 あるある探検隊』と言っても面白くない。他にも…オードリーがボディビルダーだけに漫才を行ってバカウケするのは、ボディビルダー向けの味付けをネタに仕込んだからだと言える。話は逸れるが、「人それぞれ」という言葉は、かなり味の薄い一般論だ。具体的な話を避け、味の薄い水で流す時に処世術的に使われる、他人との関係を薄くする言葉。

話を戻すと、″一般論″を一般論として面白く語る時、何かしらの味付けを加えている。味付けを加えると同時に、面白味を感じてほしい対象=目的語を小さく絞っているはずだ。

「動物ってのは赤ちゃんを見ると無条件で守ってやりたいと思うものなんだ」とか、「オタクは〜」「若いもんなら〜」だとか。そうして、味付けによって目的語が小さくなった分、相対的に主語がでかくなる。

つまり、″一般論″を面白いと思い語ろうとしたとき、それは必ず主語がでかい話になる。

 

 

わかる?」

 

今年最後の猛暑日。コップの足許を取り囲んでいた楕円形のシミが消えようとしている。

まずいな。へんな喩え話しか頭に入ってこなかった。


「とはいえ、パスタの茹で汁って結構塩味感じちゃいませんか?」


「え、何の話してんの?話聞いてた?」

 

なめてんの?と続きそうなくらいの鋭さでツッコミが飛んできた。咄嗟に笑ってごまかそうとしたが、先輩が望むような表情を出せた自信がない。苦笑いを誤魔化すために飲んだミネラルウォーターは、常温に戻ったからか、それ自身とても甘く感じた。

想いが全てであることについて

怒りとは、6秒しか続かない感情であるという。

 

また、論理は道筋を照らす道具である。その道具を扱うのは人間であり、人間の行動を指針するのはその者が持つ想いである。

逆から辿れば、想いが結論を指針し、人間はその結論を得るために行動する。

嬉しい。ありがとうが言いたい。だから口を動かす。

むかつく。相手を打ち負かしたい。だから拳を振るう。

 

シャカパチや《クシャトリラ・フェンリル》に対して冷静そうに論理をしたためていようと、抱いた怒りに突き動かされている限り、指針立てに6秒も使えていないことになる。

むかつく。非難したい。だからブログにしたためる。

ここで論理は、「したためる」ための道具、手段として使われているだけであり、結論ありきの超短視眼的安易な誤謬に気づかず、指針立てに耳を傾けるだけで、論理の危機に言い訳ができない日々となってしまう。怒りに囚われるのが悪かどうかは別にいいたいことではないんだけど。

 

この「想い→論理」のフローに「止揚」というプロセスを挟んでみる。

生きている限り、一つの想いに囚われ続けることは稀だ。昔言ってた理想論を幼く感じたり、それを幼く思っていた自分をまた青く感じたりするように。

止揚とは、自分の思考Aを一度止めてBという思考で否定し、その否定を乗り越えることでA+にブラッシュアップさせるプロセスのことを言う。

自分が考えていた想いをメタで見つめたときに、「でも」という洞察ができないか。そしてその「でも」に対してカウンターをすることで想いが1段階スパイラルアップする。

 

「このコンボ、最強じゃん!」という激情からデッキを考え始めた後、時間を置くと醒めた目で見えてしまうことがある。チャンスである。

その醒めた目に対して自分なりにカウンターができたときに、気に入るデッキが完成するのではないか。頭の中でケチをつけてデッキを嫌いにさせてくる、紛い物の理性にカウンターできるようになったのだから。

 

自分が何の想いに振り回されてどの結論を得るために考えているのかを意識する。

止揚を、しよう。(結論)

ブログを書く欲求の方向について

言語の存在意義は、価値観を広げることである。言わずもがな、ブログも言語を使って価値観を広げることができるツールである。

 

さて、価値観を他人へと拡げるためには、無為に拡散させてしまうのでは、効果が薄い。価値観を拡げたい人に必要な情報を渡してあげることが必要だ。

「こんなゲーム仲間は嫌だ」というあるあるネタは、「ゲームをする人」に向けて発信される。

すると、「ゲームしない人なら普通の価値観だよ」などと感想を述べる人に対してどうしてもコンテクスト(文脈)を持った情報になってしまう。コンテクストは、その説明がない限り、言語から価値観を汲み取る障壁となる厄介者だ。

論を立てて「説明」をする場合は一般に認められた修辞法を使って情報の純度を高めることで極力コンテクストを排除するのだが、それでも「文章が長い・言葉が固い・使われている言語が読めない・書いた人間にエソスがないなどによって読みたくなくなる」というコンテクストを排除することはできない。「○○論」という一般に流布するための言語を用いていても、私たちが言語を使う以上、誰かに対して障壁を立ててしまうのは避けられないのである。

 

では、あえて言語に高いコンテクストを与えるとどうなるか。障壁によって価値観を共有できない範囲の他人が増える。ラップに馴染みがない人にはラップで書かれた言葉はハイコンテクストな言葉であり、読者側がその価値観を共有するためには障壁を乗り越える必要がある。つまり言語によって読者・受け手側を「分断」することになるのである。

 

分断は障壁外にいる他人からの断絶ではあるが、逆に障壁内の人間との連帯を際立たせる役割を持ち、何の罪悪感もなく日常的に使われる。多かれ少なかれ、コンテクストを伴った言葉を使う限り、私たちも無意識に他人を分断しているのは確かである。例えば、「『草』と言うこと」は「それが笑いを表すとわからない他人」を断絶する目的よりも、「草」がわかる他人との価値観共有が主である。

 

どうしても他人への価値観共有したい人間は、ローコンテクストの言語を用いる必要がある。しかし、ローコンテクストの「誰でもわかるあるある」文章は、「誰でも笑えるお笑いのリズムネタ」みたいなもので、拡散される空間的拡がりが大きくとも一瞬で収縮してしまう。

ハイコンテクスト化を進めた場合は逆で、空間的に拡がらない一方時間的に長く意味を持たせることができる。

ファミレスで他人の家族が「あの時のタカシ、めちゃくちゃ面白かったよな〜」「いやあれはアイツの揚げパンのせいで・・!」と言っていても他の席に座る客には伝わらないし、店の外にいる人間にこの部分だけ音声を聞かせたなら全く意味がわからない、家族だけに閉じたハイコンテクストな言語である。しかし当然、その家族にとっては時間的広がりをもった重要な言語でもある。

 

ハイコンテクストな言語の究極系は、「他人やよそ様に伝わらない」である。この場合、言葉は「価値観を広げる」存在意義を失うであろうか。否。空間的な拡がりを失った一方、時間的な広がりを得るからである。

現実問題として、人間は思考をするために言語を手引きに使用している。自分や自分達の価値観を深化させ、個別具体のエピソードを再構築することで未来の自分へ価値観を広げてゆくために、もはや他人へ言語の障壁を課すことは問題ではない。どちらに向かって・あるいはどれくらいの比率で綴られた言語なのかが問題なのだ。

 

ブログは言語を使って他人や将来へ価値観を広げることのできるツールである。

言語の存在意義はやはり、価値観を広げることなのであり、そしてその欲求が他人に向くとは限らないのは昔から明白なのである。

【#遊戯王AC ディヴィジョン Verse.1】グリコ【5日目Bパート】

この記事は遊戯王アドベントカレンダー2022への参加記事です。
企画詳細は主催者の刺身さんのブログ記事をご覧ください!
sashimimihsas.hatenablog.com
過去記事は刺身さんのツイートから見れます!

昨日の記事はこちらから
Aパート 米ココア
あふれんばかりの機皇帝愛によって描かれたもしも記事。
アドカレだからこそ熱く語れる記事で好きです。
【遊戯王AdventCalendar4日目Aサイド】合体しろ、機皇帝ワイゼル!という妄想 - 米は世界を救う日記
遊戯王(Aサイド) Advent Calendar 2022 - Adventar

Bパート しらこ
長年に亘りくすぶり続けるシャカパチ論争について面白おかしく紐解いた記事です
このシャカパチ論争を終わらせに来た。【遊戯王Advent Calendar 4日目B】 - あるくきんしれー。
遊戯王(Bサイド) Advent Calendar 2022 - Adventar

今年も遊戯王アドカレが始まり、さっそく多様な毛色の記事が続々と投稿されております。
例年通り書く側としてだけでなく、読む側としても楽しめる企画になればいいなと思ってます!
どうぞよろしくおねがいします!!
















Verse.1 -グリコ-


《クシャトリラ・フェンリル》に当たり散らかす症状
馬と鹿ですら理解する力の象徴
曰く、怒りとは続くことはない6秒
例えるなら瞬間でしか善悪を下せぬ臆病

怒り膨らます重曹 詭弁振るってる相手はどこ?
6秒じゃろくすっぽ書けない早漏
あぁ、ゲリラが願ってやまない理想郷?
あぁ、あまりにくだらない願いを投稿

投稿 しても変わらない 読者の興味も6秒
早々大局を見れない 逆さまの戦車と教皇
6秒で何ができる?せいぜい欲求を満たす程度
6秒で何ができる?論理掻き消すストロングゼロ

我見多言の螺旋 ぶり返す駄弁の13年
宿痾、悪性すら自覚できぬネズミ共の野戦
シャカパチ ファン・ガチ 喧しい 結論ありきの超短視
大山鳴動も1フリックでフイ お前も空気の仲間入り

迫り来る決断の連続 「決闘は人生に相当?」
目指すは効率思考の視野 aだけ最強の直線
お前がかけてる靄 心地いい蛙 井の中
興味は6秒で頭打ちな お前に相応の趣味だな
現状維持が最大値 つまり「お前の人生」には相当

《クシャトリラ・フェンリル》 からの逃避行
ほらこちらワン公 言い訳のおかわりはお利口
お前たちは鳥観図の中 目指したのは所詮隣のムラ
どうせ次の新弾が最後 さらば 絨毯爆撃を決行




紙を束ねた一本槍 築いた城ごと燃えて終わり


www.youtube.com


俺たちには手段に過ぎない遊戯王 階段の前のグリコ
繋いでいるのは城じゃなくOur steelo
相手にしてるのはカードじゃなく人間だろ?
歴史家となり探る 相手の人となりを

カッ飛ばすマイカー 法定速度弾丸ライナー
物量ビブロフィリア 駆けるチーズイーター
解像度リーダー 紅の靴擦れウォーカー
愛を見つけた大吉山 集えSunday night fever

費やしたその紙切れ 対して俺の20万は思い出
My 春夏秋冬 w/ ヴィヴァーチェ! 四重奏は次の曲へ
Hater達のprops 此方に舵を切っても手遅れ
俺達は既に『特別』所詮切れるのは大見得

終わらすぜ 時計を見ない 空間の広がりの諍い
俺たちが見てるのは未来 と金賞を目指した誓い
消して行く 靴の下 燻ってる「いかがなものか」
気にするのは6秒どころか 来年はどこに行こうか




12月6日のパートを担当されるのは次の二人です。お楽しみに。
Aパート 歩く教会
デッキやコンボ紹介記事を書くブロガーで、去年のアドカレにも参加されています。

Bパート じろうちゃん
デュエル動画・ブログとマルチに活動し、遊戯王アドカレにも複数回参加経験がある方です。
今日を変え、一生を変える構築を



Bサイドにはまだ枠があるので 熱いアンサーラップを待ってます。
遊戯王(Bサイド) Advent Calendar 2022 - Adventar

増長と醜さ【読書感想文】

醜さというものは思うに、こちらへ増大して迫ってくる恐ろしさのことである。
醜い存在は視界の中で強調されるがそれが恐ろしいと思うのは、その存在が増大してこちらへ近づいてくることを意識してしまうからである。
「その意味で、立華高校マーチングバンドにおいて、佐々木梓という女ほど醜い存在はいない。」

「佐々木梓の人並外れた努力は、彼女自身の底のない増長欲がなすものである。」
努力というものはその人自身を成長させるが、他人の領域を侵食することもある。ハコの容積が限られた学校のような閉鎖的な空間では顕著だ。
実力と才能が同一視される3年というごく短い時間において、才能を持つ者がさらに存在を拡大し続けようとするとどうなるか。
拡大スピードで劣る者、拡大途中にある者にとって、一生と同じ意味を持つ3年間で伸びてゆくはずの空が覆いつくされた状態である。
残念ながら、努力が当然のことと思う者にとって、雲の下で押しつぶされる者は眼中にない。

「彼女が芹菜やあみかに対して行った支配も同様に、増長欲がなすものである。」
他人と対等な関係を築くには、相手との線引きが大事になる。相手と自分の間に引かれた中線が動かぬようにし続けなければならない。
自分から平気で線を踏み越える一方で、勝手にも捨て去っていこうとする行動には、対等な関係を築こうとする意図はない。
ただ線を相手側に動かし、自分の領域を広げるためのものであり、忌まわしき上っ面の友情である。
だからこそ、それ以上拡大するのに障害が生まれた瞬間に拡大を止めるという行動に至るのである。

エゴの底から意識のすぐ内側まで増長欲で満たされたこの存在は、全方位の人間へ「増大して迫ってくる恐怖」を与えている。
「佐々木梓はマーチングバンド部内において、無限に増長を欲する祟り神のような存在である。」
本人が気づかない限り、その醜さに歯止めが利くことはない。