【18日目】小麦粉と糖分
食感って、大事ですよね?例えば歯ごたえ。例えばのど越し。味以外にも、食べ物をおいしいと感じる要素があります。
お菓子は特に食感が大事です。しっけたモナカより、サクサクのものを食べたいですよね?
小麦粉を焼くお菓子の食感を決めるのは糖分です。
生地に含まれた糖分の量により、焼き上がりの食感が変わります。
糖分を含まない生地では、生地に含まれる水分が、タンパク質の一種・グルテンを生成するのに消費されます。この生地を焼くとグルテンは糸状の組織を形成し、粘りを与えることでサクサク感よりもモチモチとした食感になります。
生地に糖分が含まれると、糖分が生地中の水に溶けることでグルテンの生成が阻害されます。焼く過程でグルテン由来の糸状組織は弱くなり、焼き上がりは粘りのないもろい食感になります。
糖分が溶けきれないほど生地に存在すると、生地の中に溶けきれない糖分が結晶として残ります。焼く過程でこの糖分は板状のガラス組織となり、生地を覆います。このとき小麦粉の水分の吸収は阻害され、結果サクサクとした食感が得られるのです。
吸い込むのもいいですが、たまには糖分が生地に与えた食感を味わって食べてみるのはいかがですか。